交通弱者対策として、会派でデマンド(予約型)タクシーの調査研究を進めております。

加齢による運転免許の返納、交通不便地域に住んでいる車を持たないお年寄り等から、病院や買い物といった日常生活の身近な交通手段の確保への声が多く寄せられています。さいたま市では、公共交通機関のない地域を交通不便地域と位置付け、現在6つの路線でコミュニティバスの運行・2つの路線で乗合タクシーが運行されておりますが、市民ニーズには、全く追いついていない現状があります。特に、高齢者の移動手段の確保を主眼に先進市の事例を学んで参りました。

●四国中央市

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四国中央市は、全国的にも早く予約型のタクシー事業をスタートした自治体です。平成20年1月から試験運行をスタートし、予約受付や車両運行のノウハウを蓄積。平成22年~24年にかけて国の補助事業を活用した実証実験を行い、利用実態やアンケート調査の検証に基づいて運用面での改善・変更の後、平成25年度から本格運行となっています。

デマンドタクシーを利用するためには、事前に利用登録が必要となります。登録料は無料。予約は、1週間前から受付ができ、利用予定時刻の30分前までに電話で予約します。複数の人との乗合利用となることから、目的地に到着する時間に余裕をもった利用をすることになります。運行エリアは3つに分かれており、利用料金は、1回あたり400円(エリア内)となっています。(タクシーの初乗料金は、560円~580円の地域です。)

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平成27年3月現在、登録者は約5600人。80%以上が65歳以上の高齢者となっております。利用者数は、26年度実績で年間約23000人。利用者のほぼ100%が高齢者となっています。収益率が20%を割り込んでいることが課題となっています。

●北本市

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北本市では、平成21年度にデマンドバスのテスト運行を実施し、平成22年度に実証運行を行い、平成23年度から本格運行しています。登録者は、約7000人で60歳以上が全体の65%となっている。予約やルート設定は、東京大学の研究チームが開発したシステム「コンビニクル」を導入しています。利用料金は、300円/回で市内全域をカバーしています。料金設定は、タクシーより安く・バスより高くすることで設定したとの話でした。平日は、ワゴン車2台・普通車2台で対応し、比較的利用者の少ない土・日・祝日は台数を減らして運行しています。課題は、乗合率が非常に少ないことによって収益率が約18%となっていることです。

2つの先進市の事例を学びましたが、課題も多くあります。日頃から、多くの皆様からご意見・要望を頂戴するテーマでありますので、今後も、交通弱者、特に高齢者の身近な生活の足の確保に向けて、調査研究を進め具体的な提案ができるよう頑張っていきたいと思います。