生活上のさまざまな問題で困っていても、既存の福祉制度の枠組みでは支援を受けられない“制度のはざま”で苦しむ人たちがたくさんいます。こうした方に親身に寄り添って、ボランティアと一緒に問題解決に取り組むのが、「コミュニティソーシャルワーカー(CSW)」です。いわば地域福祉の相談・調整役。生活困窮者への支援が社会全体で大きな課題となる中、積極的な活動で注目されている大阪府豊中市の取り組みについて、直接お話しを伺って参りました。

2015-08-04 14.49.58
急速に進展する高齢化に備え、公明党では「地域包括ケアシステムの構築」を大きな政策課題に掲げています。特に、単身高齢者や高齢者のみ世帯の見守りは、重要となってきます。高齢者の見守りを具体的に推進するためには、支えあいの基盤となる地域コミュニティの力が必要になります。「顔の見える地域の絆」をどのように深耕していくのか、行政と地域がどのように共働していくのか、が大きな課題となっていると考えます。

豊中市では、安心協力員による単身高齢者世帯への「基盤支援」を行う「安心生活創造事業」を実施しています。市が社会福祉協議会に委託して実施している事業です。類似のサービスは、さいたま市にもありますが、本市との違いは担い手がしっかりといることです。担い手を育てる取り組みは、一朝一夕ではできないと思います。地道に輪を広げてこられた情熱ある担当者の存在が光っていました。

コミュニティソーシャルワーカーと小学校区に設置されている「福祉なんでも相談窓口」の相談員が連携して市民相談に応じ、地域で困っている人に積極的に手を差し伸べていく「地域力の強さ」を感じました。相談員は、民生・児童委員などから相談員研修を受講した地域のボランティアが行っています。7つの日常生活圏域に14人のコミュニティソーシャルワーカーを配置。相談員の育成や、制度の狭間にある課題を公民協働で解決する調整役も担っており、地域力を高める要の存在となっています。

また、年2回、圏域ごとに分野を越えた専門職による連携を図る「地域福祉ネットワーク会議」を開催。地域課題の共有化と対策案を模索し、個別支援から新たな事業を生み出す地域支援への流れをつくっています。しっかりと支援へ結びつける「出口」を行政に働きかけて作っていく流れができている点が、素晴らしいと感じました。

本市では、第6期介護保険事業計画では、地区社会福祉協議会を単位とした「高齢者地域ケア・ネットワーク」の構築をもって、地域の見守り活動を進めていくとの方向性が示されていますので、豊中市の「地域力を高める事例」を参考に、地域の見守りの具体策を社会福祉協議会と連携しながら構築していくべきと考えています。