国民医療費が過去最高に!

厚生労働省が先日発表したデーターによると、2010年度に病気やケガの治療などで医療機関に支払われた国民医療費が、前年比3.9%増の37兆4,202億、国民一人あたりの国民医療費は292,200円となり、いずれも4年連続で過去最高を更新しました。高齢化、診療報酬の引き上げ、医療技術の高度化が主な要因。

年齢階層別に医療費を見ると、65歳以上の高齢者が全体の55.4%を占めている。65歳以上の一人あたりの医療費は702,700円となり65歳未満の4倍強となっている。傷病別では、高血圧症や心筋梗塞といった循環器系系の疾患が最も多く、がんなどが続いています。

国民所得に占める国民医療費の割合は、前年比0.2%上昇して10.71%となりました。国民医療費の財源の内訳は、公費が国と地方合わせて全体の38.1%、保険料が48.5%、患者負担が12.7%となっています。

先の国会で、社会保障と税の一体改革関連法案が可決され、公明党の主張が盛り込まれた、「年金制度」と「子育て支援策」は大きく拡充されました。年金では、受給資格期間を25年から10年に短縮。低年金の高齢者などに新たな給付を行います。子育て支援では、1兆円を超える予算増額をして、現行の認定こども園が拡充され、内閣府に手続を一本化。小規模施設の拡充などで待機児童の解消を進めることが盛り込まれています。

一方、一体改革法案に入っていなかった医療・介護の分野についての拡充策は、「社会保障国民会議」で議論されることになっています。国民医療費が毎年過去最高を更新し続けている現在、こうした問題を先送りすることはできません。医療分野では、在宅医療の充実、救急医療の充実、医師不足の解消、高額療養費の見直し、うつ病対策などやるべきことが山積しています。

国会は、早く「社会保障国民会議」を立ち上げ、積み残した社会保障の具体像を示していく責任があると考えます。政府は、責任ある対応をするべきと、強く訴えていきたいと思います。