交通空白地域の解消・交通弱者の移動支援について

『AIを活用したデマンド交通』の導入について

【Q】今後、益々高まる市民ニーズに対応するためには、民間の路線バス網を補完する形で運行している定時定路線のコミバス・乗合いタクシーの現行運用のやり方では、費用対効果も悪く利用者の満足度を上げていくことが難しいため、より経済性・効率性を高める必要があると考える。また、交通空白・不便地域以外にも移動手段を求める声が多数あり、公平性にも課題があるものと考える。こうした課題の解決に向け、今から将来の在り方をしっかりと検討していくべきである。

全国で初めて本格導入された九州大学では、AIの運行管理によって、新たな需要の創出が図れ、乗車効率も都営バスと同等の水準まで引き上げることができ、乗客の待ち時間を抑えることができるなど、定時定路線のバス運行と比較して、大きな効果を上げている状況を確認することができた。 私も、実際にアプリをダウンロードして、予約から乗車の操作を行い乗車したところ、日常的に乗り合いもあり、効率性の高さを確認することができた。アプリの操作も非常に簡単でストレスなく操作することができ、汎用性の高さを確認することもできた。運行システムの事業費も安価であることから、事業費ベースでは導入のハードルは低いと考える。

プロジェクトチームで九州大学で実地調査を行いました。
本格導入された九州大学のAIデマンドバス

AI運行バスは、面的に乗降ポイントを設置し、乗りたいときに自由に移動ができ、乗降需要のないルート削減し、最適ルートを乗り合いで運行することによって、生産性の高い新たな移動手段を実現する「新たな公共交通システム」であり、本市のコミバス・乗合いタクシーを代替できるシステムと期待している。

本市では、昨年3月より地域公共交通協議会が立ち上がり検討が進められているが、公共交通の在り方を重要な政策課題と位置付け、「AIを活用したデマンド交通の導入」に向け、モデル地域を設定して、具体的なシミュレーション・実証運行を実施し効果検証を行う等、本格的な検討をしていくべきと考えるが見解は?

【答弁要旨】コミュニティバス等の導入に対しての要望は多く、今後も要望が増える可能性は高いと認識している。導入に対しては、既存バス路線と重複しないような路線設定や採算性の取れる路線設定の両立、運転手不足による運行事業者の担い手不足が課題となっている。AIを活用したデマンド交通は、定時定路線の「線」では拾いきれない「面」的に地域を拾うことができるので交通空白地域の解消に有効であると認識している。一方、AI運行はバス事業者やタクシー事業者との棲み分け・連携、システム構築やコールセンター、アプリ等のクリアすべき課題もあると考えている。今後、市民にとってより利便性の高い交通環境となるよう、バス事業者やタクシー事業者との共存システムなどについて、先進事例を参考に、導入に向けた検討を進めていきたい。