ドメスティックバイオレンス(DV)対策
9/20に市民生活委員会にて議案外質問を行いました。質疑の内容は、概要以下の通りです。
本年3月にさいたま市においても「DV防止基本計画」が策定されました。この計画は、DV防止及び被害者支援の今後の施策の方向性を定め、計画的に推進することを目的にしています。
Q:本計画の周知と女性の相談窓口の周知はどのように行っているか。
A:市のHP、各区役所の情報コーナーや図書館での閲覧、そして男女共同参画社会情報誌「夢」にてDVの特集を組んで周知している。また、女性の相談窓口は、市のHPや区役所へのパンフレットの設置をはじめ関係機関等へのPRを実施している。
※DV被害は、通報などによって外部から発見することは難しい為、被害者の方から直接相談を受けられるよう窓口の周知と、被害も様々なカタチがあるので、DVについての知識を啓発する活動が重要。早期発見することにより、被害が重度化しないようにするべき。
→公共施設の女子トイレなどに「相談カード」の設置をすることで、認知度が向上すると考えるが本市でも検討できないか?(他の行政で効果、実証すみ)
A:区役所トイレには、設置している。公民館、図書館など各関係機関と連携を取り周知を図っていく。
Q:女性の悩み相談件数の現状とDV被害者の現状はどうか。
A:相談件数は、年々増加傾向でH22年は5,505件。内DV被害は、547件。面談相談は、143件。
※さいたま市では、現在5か所の窓口で主に電話により相談を受け付けている。DV被害が疑われた場合、専門の女性相談員が対応する仕組みとなっている。
※相談内容の性質上、女性相談員の負担も重く・専門的な知識も必要であり、将来的に相談件数も増加が予想される。
Q:相談窓口の増設と女性相談員の増員・育成について本市の考えは?
A:相談窓口については、相談の性質上から電話での相談が多いことから窓口を拡大するより、早期発見のために現在の窓口を広く周知していくことが大切であり潜在的な被害者を救済できるよう取り組んでいく。女性相談員は、本年2名を増員したところで、相談員の研修などにより相談能力の向上に努めていきたい。
Q:DV防止基本計画に、「配偶者暴力相談支援センター」の設置が施策として盛り込まれているが、その役割と機能はどのようなものか?また、本市では、どこにその機能があるか?
A:6つの機能がある。1.相談、相談機関の照会。2.カウウセリング。3.被害者及び同伴者の緊急時における安全確保及び一時保護。4.被害者の自立支援のための情報提供、その他援助。5.保護命令制度の利用についての情報提供、その他援助。6.被害者の居住を支え、保護する施設利用についての情報提供及びその他援助。本市では、2と6以外の機能を男女共同参画推進センターで行っている。
→DVの性質上、男女共同参画推進センターと新設される配偶者暴力相談支援センターの機能は分離するべきと考える。また、その意味で未設置の「配偶者暴力相談支援センター」は早期に設置するべきと提案。
A:相談者(被害者)に配慮する観点から、分離の視点から検討していく。
DV被害者の心身の回復には、被害者同士が体験や感情を共有したり、情報を交換したりする場「自助グループ」に参加することの効果が検証されている。
Q:配偶者暴力相談支援センターの機能の一つとして「自助グループ」の支援が重要と考えているが、本市の考えは?
A:大変有効な手段と考えている。今後、相談、面談の中でもそのような方向に考え進めていきたい。
Q:若年層DV(デートDV)の現状とこれまでの取り組みは?
A:3人に1人が意識実態調査の結果で、DVにあたる体験をしたことがあるという結果がでている。昨年度より、市立高校を対象に出前講座による啓発活動を実施しており、今後は中学生を含む若年層に対し、教育委員会他関係機関と連携して予防啓発活動に取り組んでいく考えである。
※DV被害の問題の性質から、各種支援窓口を1本化することが大事と考えています。
Q:被害者の一時保護〜自立支援までをワンストップで対応できないか?
自立支援に向けて、就労や子育て支援、学校の問題や生活費など様々な申請が必要であり、画一的にワンストップでの対応は難しい。しかし、福祉事務所や関係機関と協議を図り被害者の負担軽減に努めていく。