「サービス付き高齢者向け住宅」
10/20から、新たな高齢者向け賃貸住宅制度「サービス付き高齢者向け住宅」の事業者登録が始まります。「サービス付き高齢者向け住宅」は、高齢者の世帯に適した居住環境を確保するために、設備やサービス、契約に関する最低限のルールを定めたことが特徴です。
これまでの高齢者向け賃貸住宅、高円賃(高齢者円滑入居賃貸住宅)や高専賃(高齢者専用賃貸住宅)高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)は廃止され「サービス付き高齢者向け住宅」に一本化されます。また、有料老人ホームも基準を満たせば登録が可能となります。
制度新設の背景には、既存3施設に対し様々な問題点が指摘されており、問題点を改善したものです。
◆高齢者住宅制度の問題点
高円賃・・床面積18㎡未満が約1割、25㎡未満が約3割、バリアフリー化20%未満
高専賃・・行政の関与が薄い、前払い家賃以外の保全義務なし、未登録の物件が高専賃を表示しても罰則規定なし
高優賃・・介護や生活支援サービスは外部の事業者が提供
有料老人ホーム・・権利金の位置付けが各施設によって不明確、家賃前払い金の返還ルールが不明確
「サービス付き高齢者住宅」制度は、上記問題点を是正し、不明確であった部分は改善され、基準が厳格化されています。
◆「サービス付き高齢者住宅」の特徴
【設 備】
① 居室の床面積は25㎡(キッチンなどが共用の場合18㎡)以上確保されている。
② バリアフリー構造(手摺の設置・段差の解消・廊下幅の確保)である。
【サービス】
① 入居者の安否確認や生活相談サービスを提供する。
② 介護・医療・生活支援(食事の提供など)サービスは居住者が選択できる。
【契 約】
① トラブル防止のため、入居条件を記した書面で契約。
② 長期入院を理由に、事業者から一方的に解約されない。
③ 入居者が支払う費用は、敷金・家賃・サービス(介護・医療・生活支援)の対価のみ。
「サービス付き高齢者向け住宅」の供給目標として、今後10年間で60万戸を目標にする方針が示されております。
国による新制度推進施策として、1.建築費の一部を国が直接補助。2.税制優遇による推進。3.融資関連の支援措置。があります。
「サービス付き高齢者向け住宅」は、高齢者が安心して暮らすことができる住宅確保が制度の目的であり、今後、ますます増加する高齢単身者、夫婦のみ世帯向け住宅の不足が解消することを期待しています。