診療・介護報酬が同時改定!

診療・介護報酬が4月に6年ぶりに同時改定されます。24時間対応の医療、介護サービス強化が改定の柱となっています。

◆背景

日本の高齢者は、今後も増え続け、団塊の世代が75歳を迎える2025年には、65歳以上の人口は、3,600万人を超える見込みとなっている。(国民の約1/3程度)そうなると、病院などでは、すべての患者を受け入れることが難しくなる。

◆改定のポイント

介護において、在宅の要介護者の生活を支えるため「24時間対応の定期巡回・随時対応サービス」が創設されました。訪問介護を必要に応じて、日中〜夜間を通して看護師やヘルパーさんが複数回訪問することによって、要介護者が住み慣れた家で暮らし続けることができるようにすることが目的。また、老健(老人保健施設)で介護予防のため、リハビリを積極的に行った事業者に対して報酬を加算し、要介護者を在宅に戻すほど報酬を手厚くするようになります。

医療においては、上記のような24時間対応のサービスに呼応する形で、在宅医療を充実させるため、夜間や緊急時の往診の報酬を引き上げる他、夜間や早朝に看護師が訪問した場合に診療報酬が加算されるようになります。これは、在宅医療に取り組む医療機関を増やしていく狙いがあります。

在宅医療の推進には、24時間対応のサービスの成否が大きなカギを握っていると観ることができそうです。

◆今後取り組むべき課題

上記のような医療・介護サービスを安定的にする為の、一番の課題は訪問看護師や介護職員などの人材確保です。2025年、要介護者に対応したサービスを提供していくためには、現在の2倍の介護人材が必要とのデーターもあります。介護の現場で働く人の労働条件は大変に厳しい現状であり、変えていかなくてはなりません。

せっかく24時間対応サービスが創設されても、それを支える人材が確保できなければ、制度は行き詰ってしまいます。その意味では、今回の改正では、まだまだ不十分であると考えます。

介護職員は、仕事の負担の重さに比べて、給与水準が低いと指摘され続けております。こうした労働環境から、離職率も他の業種と比較して、高くなっています。介護職員の賃金アップや待遇改善など、具体的な人材確保策を打ち出していくことが喫緊の課題といえそうです。

◆私の課題

昨年10月より、「サービス付き高齢者向け住宅」の事業者登録がスタートしており、今後10年間で60万戸の供給目標を立てています。高齢者集合住宅に、診療所、介護、看護の事業所を付設すれば、いつでも短時間で駆けつけることができるので、こうしたハード面の整備も重要と考えます。(詳細は、2011/10/13のブログに記載)

高齢化社会を迎えるにあたって、どういったニーズやウォンツがあるか。課題を解決するための方策は、地域によって一様ではないと考えます。さいたま市において、現状を把握し、ハード/ソフト両面の施策について、しっかりと調査研究に取り組み、「政策提言」をしていこうと決意を新たに致しました。