ART SETOUCHI 〜文化政策と観光・まちづくり〜

8/8、香川県の直島を中心に展開されている「ART SETOUCHI」の現地調査に行って参りました。

20数年前に直島からスタートした瀬戸内海の美しい景観と現代アートとのコラボレーションは、2010年の瀬戸内国際芸術祭によって周囲の島々に広まっています。

「ART SETOUCHI」は3年ごとに開催される瀬戸内国際芸術祭とその間に取り組まれる様々な取り組みの総称です。

この活動は、舞台となるそれぞれの島の異なった固有の民族文化を活用して、それぞれの島々での生活や歴史にスポットをあて、現代アートとのコラボレーションによって、住民に元気になっていただくこと、世界から世代・地域・ジャンルを超えた、たくさんの人が集い・交流・協働することによって瀬戸内の未来を切り開いていこうとするものです。

今回は、スケジュールの都合で発祥となった直島へ行き、さいたま市における文化政策、観光政策、文化芸術のまちづくりの視点から、家プロジェクトとベネッセアートサイト直島の地中美術館を視察致しました。

◆家プロジェクト(本村地区)

◆ベネッセアートサイト直島

瀬戸内海の交通アクセスの悪い島々に、外国人を含め、多くの観光客が訪れていました。まちの方と話をすると丁寧に街中の作品について説明をしてくださったり、ごみひとつ落ちていないことから、街中が芸術文化で来島された方をお迎えしているような印象を受けました。住民との協働によるART SETOUCHIの活動が、隅々まで根付いていることを実感致しました。

地域の資源を活かした「まちづくり」は、そこに暮らす人と価値観を共有していくことが継続的な事業推進の大きな力になっていくことを強く感じました。観光政策、文化政策は多くの自治体で工夫しながら推進していますが、成功している地域に共通しているのは、コンセプトが明確であり、その地域に暮らす住民と行政が協働し、力を合わせて取り組んでいるように思います。

こうした視点から、今後の政策提案に繫げていきたいと思います。