住宅の確保が困難な方への入居支援制度 〜こうべ賃貸住宅あんしん入居制度〜
●住宅の確保が困難な方への入居支援制度として新たに新設された「こうべ賃貸住宅あんしん入居制度」について、現地調査を行い担当者からヒアリングを行いました。(2014年8月)
こうべ賃貸住宅あんしん入居制度は、高齢者・障がい者・外国人など住宅の確保が困難な方への入居支援制度として、本年10月1日より運用される事業となっています。
特に、平成19年に実施した民間賃貸住宅の実態調査によると、大家さんの約40%は高齢者世帯の入居に対して受け入れないとの結果もでています。神戸市居住支援協議会が市内不動産業差に対して実施したアンケート結果では、高齢者の入居を断る理由として、保証人がいるかどうか不安27.3%、居室内での死亡事故等の不安70.1%となっていることから、高齢者の入居を阻害している要件を補完する制度として「こうべ賃貸住宅あんしん入居制度」の支援を実施する経緯となりました。
2014年8月の段階では、事業者の選定を行う段階であったが、3つの基本サービス、①連帯保証サービス、②残存家財の片づけサービス、③安否確認サービスの他、葬儀・後見人手続き代行・生前整理支援などプラスアルファのサービスを提供するなど、事業者からの提案が出てきているとのことでありました。
基本サービスの①、連帯保証サービスは、入居者の賃貸借契約上の連帯保証人になる(終身保証)サービスで、入居者の負担は18万円以下としている。②、残存家具の片づけサービスは、利用者が死亡した場合に残存家具を片付けるサービスで、入居者の負担は原則15万円以下(面積等に応じて増額の場合あり)としている。③、安否確認サービスは、センサー等によって安否確認を行い、異常があればかけつけ対応をするサービスで、入居者の負担額は、月額4千円(機器代金等別途)としています。
神戸すまいまちづくり公社が窓口となって、入居者の相談に応じるほか、本制度の周知を業界団体・仲介事業者・貸主に対して行っていくとしています。入居者に対しては、登録業者の紹介をすることにしており、具体的な契約は当事者同士で行うことにしているため、制度構築についての市の負担(予算)はかかっていません。
現在、民間団体で身元保証をする事業者も増えているが、遺産全額寄付を入会条件とする団体もあり、専門家からはルール作りを求める声が上がっています。
今後、高齢化を迎える中で、特に高齢者のすまいの確保の問題が顕在化してくることが予想されることから、本制度の推移について注視していきたいと思います。また、入居支援策の1つとして導入を検討していければと考えます。