自転車を活用したまちづくり
自転車利用は高い利便性があり、健康増進に繋がるとともに環境への負荷低減、災害時の交通機能の維持、交通混雑緩和など、多くの利点がある一方で、高齢者や児童生徒の事故が発生していること、重大事故による多額の損害賠償事案が発生していること、運転者のマナーが悪いこと、利用環境の整備の必要性等、多くの課題もある。
こうした課題を解決する為、議会では超党派で政策条例制定に関するプロジェクト会議を立ち上げ、約1年間にわたり議論を重ね、昨年6月定例会で「さいたま市自転車のまちづくり推進条例」を上程し、可決成立した。
国では、2016年12月に自転車活用推進法が施行され、積極的に自転車を活用していくことを目指し、昨年6月には、自転車活用推進計画が策定された。地方自治体、企業、民間団体と協働し、「安全」「環境」「健康」「観光」をキーワードとして、具体的に自転車の活用を推進していく方向性が示されている。
Q:本市では、「たのしむ」「まもる」「はしる」「とめる」を計画の柱とした事業を展開しているが、走行環境の整備では、自転車走行帯の整備に加え、面的な整備を実施する必要があると考える。国が示している観光の視点を取り入れたサイクルツーリズムの推進やシェアサイクルステーションの拡充、サイクルレクリエーションルートの設定を検討頂きたいが、見解は?
Q:自転車利用者の安全教育は大変に重要であり、現在実施している市内小中高等学校の児童生徒への安全教育に加え、子育て世代や高齢者への安全講習も展開していくべきである。併せて、駐輪施設への防犯カメラの設置等防犯性を高める取組みや雨具の着用や空気入れサービスの提供等、民間事業者と連携した利便性向上への取り組みも検討していくべきと考えるが、見解は?
【答弁要旨】
A:本市は、「さいたま自転車まちづくりプラン~さいたまはーと」を策定し、自転車を活用したまちづくりを4つの柱で進めている。
「たのしむ」の視点では、レクリエーションルートマップの作成を進め、今後は、国や近隣自治体と連携して広域的なサイクルツーリズムを推進していく。現在、シェアサイクル普及事業実証実験を開始し、ポート数280箇所・自転車1400台以上が稼働している。今後は、ポートの密度を高め自転車利用の促進を進めたい。
「まもる」の視点では、安全教育は大変重要と考えている。現在、学校での安全教育をはじめ、子育てパパママ自転車アシストプロジェクト等、様々な安全啓発を行っており、5年前と比較して自転車関連事故による死傷者は約25%減少した。今後も、多世代に向けた安全教育の機会を充実させていきたい。
「はしる」の視点では、約93キロの自転車通行帯等を整備してきたが、今後は生活道路の安全対策を交通管理者と連携して進めていく。
「とめる」の視点では、市営駐輪場への防犯カメラや「おもいやりスペース」の設置等により、安心安全・快適な駐輪環境整備を進めてきた。今後も民間事業者と連携し、多様化する駐輪ニーズに対応していきたい。
自転車を活用したまちづくりの機運が高まっていることから、来年度に「さいたまはーと」の見直しを行い、「人と環境にやさしい安全で元気な自転車のまちさいたま」の実現に向け、より一層推進していく。