子育て支援の充実を!~Part1~
保育所・放課後児童クラブの待機児童解消について
Q:本市では、令和3年4月の待機児童ゼロを目指し、認可保育所の施設整備を中心として、多様な受け皿の確保に向けて取組んでいるが、高まる保育需要に取組みが追い付かない現状がある。 昨年12月、国は「新子育て安心プラン」を公表し、令和3年度~令和6年度末までの4年間で、約14万人の保育の受け皿を整備するとしている。保育ニーズが増加している地域への支援として、「整備費等の補助率の嵩上げ」や、マッチングの促進が必要な地域への支援として「巡回バス等による送迎に対する支援の拡充」、「保育補助者や短時間勤務の保育士の活躍促進」など地域の実情に応じた支援メニューも盛り込まれている。これまで会派として面積基準の緩和や保育士配置の弾力化、賃貸物件を活用した施設整備に対する補助制度の拡充、家庭的保育事業の導入など、様々な提案をしてきた。あらゆる施策を総動員して待機児童の解消を図っていくべきと考えるが、保育士確保の支援策を含め、新年度の取り組みは?
また、放課後児童クラブにおいても、待機児童の解消が課題となっている。コロナ禍にあって運営面における対応に苦慮している状況もある。施設整備においては、学校の余裕教室の活用や民設クラブの拡充に向けた保護者負担の軽減が重要と考える。施設整備・運営面も含めた更なる支援の拡充を求めるが見解は?
【答弁要旨】保育所の待機児童解消については、認可保育所等の整備を主軸に取組んでおり、来年度も17施設1305人分の施設整備を計画している。子育て支援型幼稚園の認定促進に加え、新たに幼稚園と連携する送迎保育ステーションを設置し、共働き世帯であっても更に幼稚園を選択しやすい環境づくりくりを進めるとともに、幼稚園を連携先とした小規模保育事業など不足している0歳から2歳児の受け皿確保を進める。また、マンション建設時に保育施設等の設置に関する協議を求める対象を拡大し、マンションへの保育施設の併設を促していく。
保育士確保策については、これまでの処遇改善、市の魅力のPRに加え、他市からの呼び込み効果の高い「宿舎借り上げ支援事業」の制度拡充を図る。
放課後児童クラブについては、来年度も16か所の新規開設を予定している。今後も、余裕教室等の活用を含めた整備を積極的に進め、運営面においても支援員の確保及び保護者負担の軽減のための支援を行う。
ひとり親家庭における養育費不払いの解消について
Q:離婚による、養育費の不払いは、貧困の連鎖を生む可能性を孕んでおり、ひとり親家庭の実態を把握し、相談機能の充実強化を図ることに加えて、より踏み込んだ具体的な支援策を講じることが必要と考える。 現在、国においては、法務省・厚労省が連携し「不払い養育費の確保」のための「新たな制度構築」に向けた、検討が進められており、公的機関による「強制徴収」や「立て替え」等の新たな制度案が示されている。 会派として、これまで大阪市で導入した「養育費確保のトータルサポート事業」を例として、具体的な支援メニューを提案してきた。福岡市では、昨年より「公正証書等作成支援事業」「養育費保証支援事業」を創設。新型コロナウイルス感染症の影響により、生活に打撃を受け困っている、ひとり親家庭が養育費を確実に受け取れるよう支援している。新年度予算で、新たに養育費の保証促進補助金が盛り込まれたことを評価しているが、養育費を受け取る権利は親ではなく「子どもの権利」として守る必要があり、既に同制度を導入している地域では事業を民間委託し、土日祝日も相談を受けられる等、相談者にきめ細かく寄り添う体制づくりを進めている。本市のひとり親家庭における養育費不払いの解消について、サポート体制も含めた取組方針は?
【答弁要旨】本市では、「ひとり親家庭就業・自立支援センター」を設置し、養育費に関する相談を含めたひとり親家庭の様々な相談に対応している。養育費の不払いなど法律的な知識が必要な問題については、弁護士による法律相談を実施している。また、養育費や面会交流の参考となるコンテンツや子どもの養育に関する合意書のひな型をHPへ掲載するなど支援を実施している。新年度からは、養育費の取り決めに関する公正証書の作成支援、養育費の確実な受け取りの保証支援を同時に制度として構築することが実効性を高めるために有用と考え、予算計上した。
具体的には、公正証書の作成支援として、公証人手数料や収入印紙代を対象に上限43,000円までを補助。養育費の保証支援として、保証会社と養育費の保証契約を結んだ際の保証料に対し上限50,000までを補助していく。
産後ケア事業の拡充と利用者負担の軽減について
Q:新型コロナの影響で外出を自粛するなど、出産後の母子が社会から孤立しやすい状況に陥っていると心配している。産後ケア事業は、産後うつや児童虐待のリスク軽減に重要な役割を果たしている。本市では、訪問型の産後ケアに加え、昨年10月よりデイサービス型、宿泊型の産後ケア事業が新設され、出産後のお母さんと赤ちゃんの新生活を応援できる体制が整い大変心強く思っている。 一方で、事業の市民周知と利用施設の拡大が急務と考える。この事業をより使いやすくしていく為、利用者負担を軽減していくべきと考えるが、産後ケア事業の拡充に向けた取組みは?
【答弁要旨】産後ケア事業の拡充については、昨年12月に市内の産科医療機関及び助産所に向け、事業の実施について協力依頼や意向調査を行い、12の医療機関等から実施可能との返答を頂いており、現在の9機関から12機関へ拡充される見込みとなっている。利用者負担の軽減については、事業が開始したばかりであり、今後の利用状況や利用者を対象とした調査結果を把握しながら、適正な運営に向けて取組んでいく。