9月定例会 請願審査

高校生までの医療費無償化を求める請願について

 保健福祉委員会に付託された請願「高校生までの医療費無償化を求める」について、参考意見聴取、討論、採決が行われました。高校3年生までの医療費無償化は、会派の主張と一致していることから、会派を代表して賛成の立場から以下の通り討論を行いました。なお、採決では、民主改革、さいたま自民が反対の立場、自民党さいたまが退席した結果、可否同数となり、さいたま市議会委員会条例第17条第1項の規定により、委員長において本件に対する可否を決することになり、不採択となりました。

 【討論】

 請願第19号「高校生までの医療費無償化に対する請願」について、採択の立場で討論させていただきます。

 本市は、少子化対策の一層の充実及び強化の観点から、平成20年度に乳幼児医療費支給事業を子育て支援医療費助成制度に改め、子育て世帯の経済的負担を軽減するために所得制限を廃止しました。また、平成21年10月には、入院のみならず、通院を助成対象に加えたことにより、政令市初の制度として中学校3年生までの医療費の無償化が実現しました。
 本市の子育て支援医療費助成制度は、通院・入院を対象に所得制限、自己負担なしであり、他自治体の同様の事業と比較して誇れる事業と考えております。高校3年生までの医療費支援制度については、政令市では新潟市、静岡市、浜松市、大阪市、堺市、神戸市、北九州市では、所得制限や自己負担等を設けた上で実施しており、名古屋市では本年1月より政令市で初めて高校3年生までの医療費の完全無償化を実現しております。東京都内の特別区においても、都の助成を受け、令和5年度より高校3年生までの医療費を無償化するとの報道もされており、本市の制度についても一層の拡充が必要と考えております。
 請願審査の参考意見聴取では、現制度の事業費は約55億円であり、高校3年生まで現行制度のまま拡充した場合、入院・通院を対象に所得制限、自己負担なしとした場合の財政負担として約7.5億円の事業費が必要と試算されていることが示されました。一方で、本市としても対象拡大に当たり、様々な仕様で事業費の試算を実施していることも確認されました。また、将来にわたり持続可能な制度として安定的に事業を実施していくためには、財源の課題があることは認識しております。

 全国的な人口減少の流れの中で、本市では人口増加が続いており、特にゼロ歳から14歳までの年少人口の転入超過数が7年連続で1位となるなど、子育て世代に選ばれる都市に成長した要因の一つに、本市が誇る子育て支援医療費助成制度の充実があると考えております。現役世代の人口増は、本市の発展に大きく寄与するものであり、財政的な効果も大きいと考えます。高校3年生までの医療費無償化は現行制度のまま拡大するべきとの主張を前提とした上で、安定的に必要な財源を生み出しながら、段階的に拡充していくことも可能と考えます。
 請願では、成長過程の子供のけがや病気を支援し、子供たちを安心して産み育てることができるさいたま市の実現を希望するとの記載があり、本制度を拡充し、高校3年生までの医療費無償化を求めるものとなっております。子育て世帯における家計負担の軽減に重点を置き、子育て支援医療費助成制度の対象を高校3年生まで拡充することを求めることは、会派の主張と一致することから、本請願を採択することを主張いたします。