熊本県 高齢者の住宅政策 視察

11/16、高齢者住宅と都市交通のプロジェクトチームで熊本県の高齢者政策の視察に行って参りました。

本年3月に、「熊本県高齢者居住安定確保計画」が策定されており、

1.計画策定の背景と目的及び熊本県で取り組んでいる「地域の縁がわ」事業について

2.計画策定までの高齢者住宅政策についての取り組み

3.高齢者住宅確保についての現状と課題について

4.今後の施策の展開と推進体制について   学んで参りました。

熊本県高齢者居住安定確保計画は、高齢化(単身高齢世帯の増加や要介護高齢者の増加)によって、生活支援サービス付き住宅が不足している現状があることから、住宅施策と福祉施策が連携し総合的・計画的に高齢者の住まいに係る政策を展開する必要があることから策定されました。計画期間は4年間で、施策の具体的な展開の中で、明確な数値目標を掲げて取り組んでいます。

現状と課題を精査し、基本的4つの方針を掲げ、各方針ごとに事業を展開しております。施策目標の代表的なものは、以下の通りです。

目標1:多様なニーズに応じた住まいの確保

サービス付き高齢者向け住宅等の新規供給H26年度までに8000戸

目標2:サービスの充実と住まい・サービスの質の確保

H24年度までに営利法人が運営する全介護事業所の監査の実施

目標3:入居の支援体制の充実

H26年度までに各市町村営住宅における高齢者優先入居等の制度を導入

目標4:地域で支えるサポート体制の構築

地域の縁がわ整備:H27年度までに500か所、地域ふれあいホーム整備:H27年度までに45か所

「地域の縁がわ」づくりについて、熊本県では、子供、高齢者、障がい者など地域の誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう新しい地域福祉の創造を目指しており、地域の誰もが気軽に集い、支えあう地域の拠点「地域の縁がわづくり」を1つの柱に取り組んでおります。平成23年3月末で221か所、H27年度までに小学校区単位の500か所の設置を目指しています。

計画の策定によって、部局横断的な課題に対して、問題や課題を共有していくことができ、より踏み込んだ議論ができるようになったこと。が現段階での1番の効果との話でした。

さいたま市においても、今後、高齢化の進展に伴う同様の課題が存在しております。高齢者の方が老後を安心して暮らしていくための政策を実行していくためには、部局を横断した取り組みが必要になってきます。その必要性から、本市における高齢者を取り巻く状況の現状把握をしっかりと行い、いつまでにどうするのか、明確な施策の目標を設定していくことが大事だと考えます。

私も、本年6月の定例議会の一般質問で、「高齢者居住安定確保計画」の策定について、取り上げさせて頂きました。本年10/20より、サービス付き高齢者向け住宅の事業者登録もスタートしております。

高齢者が安心して安全に暮らせる住まいを確保できるよう、今後も1つの政策課題として力を入れて取り組んでいきたいと考えています。