【地下鉄7号線延伸に関する報告書】について
本日、午前10:00~第6回(最終)地下鉄7号線延伸検討委員会が開催され、「地下鉄7号線延伸に関する報告書」が承認され、各委員さんからご所見及び所感がありました。報告書は、1.地下鉄7号線延伸に関する経緯・検討過程、2.延伸計画(まちづくり含む)、3.社会経済情勢、4.延伸の意義・必要性、5.事業性の評価、6.延伸の方向性の提言、の章立てで纏められております。
以下、少し長くなりますが「地下鉄7号線延伸に関する報告書(要旨)」について、記載内容をご紹介させて頂きます。
◆計画の概要
地下鉄7号線は、平成12年の国の答申で浦和美園~岩槻~蓮田までの延伸が位置づけられました。今回の検討対象は、浦和美園~岩槻までの約7.2㎞です。延伸線は、「埼玉スタジアム駅」「中間駅」「岩槻駅」の3駅を新設し、浦和美園駅から岩槻の既成市街地手前までは地上(高架)それ以北は地下を走る計画であり、概算建設費は約770億円です。「都市鉄道等利便増進法」による事業手法を前提としている。この事業手法は、受益活用型上下分離方式と国・地方自治体による補助を大きな特徴としています。
◆検討の流れ・評価方法
厳しい社会経済情勢について議論し、人口減少局面・少子高齢化等を踏まえて検討することが確認され、現在の時代に適合する「延伸の意義・必要性」が整理された。検討委員会では、評価方法として「総合的評価」を採用。「B/C(費用便益比)」「採算性」「事業による効果・影響」の3つを総合的に勘案して評価を行う手法です。「B/C=1.0以上」「採算性=資金収支累積黒字転換30年」が目安となります。
◆需要予測・採算性・B/Cの試算
需要予測は、過去の甘い需要予測ではなく、徹底的に精査して、人口減少・リスク等を踏まえた検討を行う為、複数のケースによる需要予測、採算性、B/Cを試算している。その結果、慎重ケース(現在の状況で何も変化しない場合)には、需要予測として23,900人/日(平成32年)、「採算性=資金収支累積黒字転換44年」、「B/C=0.9(30年)」という厳しい試算結果となっている。しかしながら、施策による需要等改善効果を見る「感度分析ケース」では、「まちづくりや快速運転などによって、採算性やB/C向上させる効果を有すること。」が確認されている。また、高齢社会対応、代替交通確保、地域の再生、持続可能なまちづくり等、事業による多くの効果・影響があると評価されている。
◆延伸実現に資する方策
上記、評価の結果を踏まえ、延伸実現に向けた採算性を改善させて、B/Cを向上させるため、方策の検討を行っています。①開発・まちづくりの推進、②人流の創出、③鉄道サービス水準の向上、④営業主体の工夫、⑤資金調達の工夫、⑥コスト縮減、⑦既設線の利用促進、について検討し、取り組み内容が整理されています。また、既存の制度の枠にとらわれない方策(制度改正、企業・教育機関誘致など)についても検討されています。
◆評価/延伸の方向性
評価として、現状、一般的な目安には届いていない状況であるが、「現時点で方策の成功を当て込んで事業化を図ることは難しいが、関係者の努力によって方策を展開し、沿線地域の活性化を進めることで、プロジェクトの評価を高めることは可能である。延伸実現に向けては、諸方策を取捨選択、組み合わせて、進捗を丁寧に確認しながら、推進していくことが必要である。延伸実現には、ある程度の年月を要するかも知れないが、速やかに行動を起こして結果を求めていくべきである。」と記載されています。
詳細は、改めてご報告させていただきます。多くの方より、地下鉄7号線延伸実現に向けた進捗状況についてお問い合わせを頂戴しておりますので、要旨のみですが、取り急ぎご報告させて頂きましたことをご了承くださいませ。