ひとり暮らしの高齢者の皆様への訪問事業について〜京都市〜
8/3、以前に本HPでもご紹介させて頂きました京都市の「地域における見守り活動促進事業」について現地調査に行って参りました。
この事業は、地域包括支援センターの職員などが要援護者の自宅を訪問して、地域の関係機関などに要援護者の個人情報を提供してよいかどうかを確認し、同意の得られた方の情報を民生児童委員や社会福祉協議会などの関係機関に情報提供することによって、地域における日常的な見守り活動に活用して頂き、要援護者の支援体制の充実を図る取り組みです。
本年6月より実施がスタートしております。京都市の高齢化率は平成23年現在で23.2%と高い水準で推移しています。65歳以上の高齢者がいる世帯は、平成22年現在で224,635世帯と年々上昇しており、特に単身世帯、夫婦のみ世帯、親と子のみ世帯が増加傾向です。単身高齢者世帯は、70,738世帯あり、地域から孤立しがちなひとり暮らし高齢者の見守り支援が重要となっております。
京都市では61か所の地域包括支援センターがありますが、各センターに有資格者を1名づつ増員して、来年3月末までに全単身高齢者への訪問を終えるよう取り組んでいます。他の政令市と比較しても高齢化率の高い京都市では、独自に民生児童委員の他に老人福祉員を配置(現在:1314人)しており、高齢者の見守ってきております。
京都市では、高齢者一人ひとりが、出来る限り住み慣れた地域での生活を継続できるよう、日常生活圏域単位で、医療、介護、福祉をはじめ必要な支援体制を確保するため、地域包括支援センター(高齢サポート)を核としてネットワークを構築し、十分な取り組みを推進できるように、同センターの機能及び体制強化に取り組まれています。
地域包括支援センターは、認知度が低いことが課題となっております。高齢者の介護予防や医療相談、福祉サービス相談などワンストップでサービスが提供できるのが同センターですが、あまり知られていない現状があります。これまでは、窓口に相談された方への支援となっておりましたが、積極的に訪問していくことで認知度を上げていく狙いもあるとのお話でした。
訪問では、日常生活の悩み事・困り事などの相談に応じるほか、ひとり一人の心身の状況把握、かかりつけ医、緊急連絡先などを聞き取り、支援が必要な状態にある高齢者を把握。支援が必要な高齢者に対しては、介護サービスの利用や医療機関の受診につなげるほか、本人の希望を踏まえた民生児童委員、老人福祉員をはじめとする地域全体での見守りにつなげることなど、高齢者ひとり一人の実情に応じた支援を展開していくことを目的にしています。
さいたま市においても、高齢者の孤独死が報道されるなど見守り体制をどのように展開していくか。重要な課題となっております。地域包括支援センターの認知度低く、地域に暮らす高齢者を行政が積極的に支援していく京都市の取り組みは学ぶべき点が多いと思います。
実効性のある支援体制を構築するためには、第一に行政と地域包括、社会福祉協議会など関係機関が問題意識と情報を共有し、第二に地域ぐるみで支えあっていく仕組みづくりをしていく必要があります。課題を整理して、具体的な提案ができるように、今後もこの問題について、しっかりと取り組んでいきたいと思います。