12月定例会で一般質問を行いました。
さいたま市議会12月定例会で、一般質問を行いました。質問要旨と答弁要旨についてご報告させて頂きます。
1.災害に強い都市づくりについて
(1)災害情報の収集・共有化と市民への情報提供について
Q:災害時に入り乱れる災害情報を、可視化して整理することは、関係機関の的確な災害対応に繋げていくうえで、大変に重要。市民の皆様に、分かり易く情報を伝達することは、命を守る避難行動に繋がるだけでなく、災害発生後の混乱を回避できるなど、事前防災に役立つものと考えている。国では、来年度より、豪雨や地震といった自然災害の際に、各府省庁や自治体が収集する情報を集約し、電子地図上に一括して表示できる、「防災情報共有システム」を、本格運用する。将来的には自治体との情報共有も視野に開発されている。そこで、本市の災害時における被災状況や避難所の開設等の情報の収集・共有化について、現状の取組と今後の方向性は?
A:本市では、総合防災情報システムの運用によって、被害情報、避難所開設、避難者情報等を全庁的に共有している。埼玉県とは、「災害オペレーション支援システム」により、情報の共有化を図っている。国とは、システムだけではなく、関係機関職員との情報共有・検討体制を構築し、図上訓練において連携強化に努めている。
Q:市民の皆様への情報提供について、市民の方が知りたい情報は、時系列で変化していくことを想定したうえで、分かりやすく伝達する仕組みを事前に検討しておく必要があるが、どのように提供するのか?
A:発災直後から、初動期、応急期、復旧・復興期といった各局面に応じたタイミングで、収集した被害情報・避難所開設情報、罹災証明書の交付など、HPへの掲載、SNS、コミュニティFM,ヤフー防災速報アプリの活用により提供している。今後も、国や県のシステムとの連携、新たな情報発信ツールなどの動向を踏まえて、より効果的な災害情報の共有化・提供手段について検討していく。
(2)防災都市づくりの推進について
Q:防災都市づくりを推進するためには、住民主体の取組みを進められるように、住民同士が互いに危機意識を共有化できるよう後押しをし、その後の具体的な行動に繋がる「支援メニュー」を用意することが重要と考える。地震災害に伴う延焼リスク対策として、「既存住宅の不燃化への助成制度」や「空き家除去後の防災空地の整備への支援」等、メニューを用意するべきと考えるが検討状況は?
A:延焼リスクと避難困難リスクが重なる推進地区候補に対する支援として、29年度より自主防災組織が地区防災計画を策定した場合、自主防災組織育成補助金の対象品目の1つに感震ブレーカーを追加した。災害リスク低減に向けた自助・共助の取組に対する更なる支援については、他都市の事例・市民ニーズ・建築物の更新状況・空き家の状況等を踏まえ、学識経験者へのヒアリングや庁内関係部署と調整を図りながら、引き続き検討していく。
Q:災害時に一時避難場所となる、既存の街区公園の防災機能強化への取組状況と今後の方向性は?
A:現在、地元要望により公園改修や公園施設の設置を行う場合に、災害時に使用可能なソーラー照明灯や地下ピット式のトイレ等、防災機能を付加した施設を設置することで防災機能強化を図っており、今後も地元要望を受けた場合に防災機能を付加した施設設置の検討を行い、機能強化に努めていく。
(3)水位情報システムの拡充について
Q:昨年度から、運用をスタートしている「水位情報システム」は、水位情報をリアルタイムで提供することができ、迂回や土嚢の設置、車両などの移動など具体的な行動を促し、被害軽減への対応が可能であり、好評である。観測地点を増やし、より多くの市民に周知するべきと考えるがどうか?
A:このシステムは、河川・下水道・道路のアンダーパス等の45カ所に水位計や監視カメラを設置して、水位情報やカメラ画像をインターネット配信することで、大雨時における市民への情報伝達ツールとして活用されている。今年度も新たに3カ所で水位計の設置工事を進めている。市民周知については、市報掲載や広報チラシの配布のほか、フェイスブックやツイッターなどを活用し、様々な機会を通じて実施していく。
Q:システムの蓄積データーを活用して、ハード面の浸水対策に活用してもらいたいと考えるがどうか?
A:本システムのデーター活用は、運用開始よりまだ日が浅いため、今後はデーターを蓄積し、浸水被害軽減に向けて活用方法を検討していく。
2.住宅困窮者支援について
(1)民間住宅を活用した住宅セーフティネットについて
Q:低所得者、高齢者、障がい者など居住に課題を抱える方は、年々増加している。現状では、受け皿となる公営住宅は絶対的に不足しており、新たに整備することも難しい状況である。低家賃の民間住宅も少なく、要配慮者の入居を拒む傾向も、依然として根強い。連帯保証人や、緊急時の連絡先の確保の他、一定の生活支援が必要となる住宅要配慮者も多く、今後、住宅困窮者・要配慮者への支援は、極めて重要な課題と考える。国が用意した「新たな住宅セーフティネット制度」を一体的に運用し、積極的な活用を図り、登録住宅についての具体的な目標を設定し、住宅困窮者の受け皿となる民間住宅を活用した住宅セーフティネットを確立していくべきと考えるが、見解は?
A:平成30年11月現在、補助制度の対象となる住宅の登録には至っていない状況である。家賃と家賃債務保証料の補助を併せて行うことは、相乗効果によって登録住宅を増やすことに、有効である。そのため、現在実施している家賃債務保証料に加え、家賃を補助する新たな制度の導入について、本市の住宅セーフティネット機能の向上が図られるような制度として、検討を進めている。登録住宅の具体的な目標を定めるために、「さいたま市賃貸住宅供給促進計画」を今後策定し、総合的かつ効果的に施策を展開していきたい。こうした取組を行い、入居者への支援を拡充し、賃貸人に対して登録制度への関心を深め、住宅困窮者の住まいの受け皿として、登録住宅を活用していきたい。
Q:円滑な入居促進のためには、居住支援協議会の設立など、サポート体制を構築する必要もあると考えますが、見解は?
A:現在、「埼玉県の居住支援協議会」に参画し、不動産関係団体、福祉関係団体と連携を図っている。庁内では、「居住支援に関する連携会議」を定期的に開催し、各所管での居住支援の状況などの情報共有を図っている。今後、社会福祉協議会や民間の居住支援法人などを新たに加え、居住支援体制の強化を図るとともに、本市における居住支援協議会の設立やサポート体制についても、検討していきたい。
3.教育行政について
(1)LINEを活用した教育相談事業の継続実施について
Q:今年度実施された「LINEを活用した相談事業」は、子どものSOSを早期に発見し、悩みの深刻化を防ぎ、充実した学校生活を送れるよう、会派として提案。市立中高生、約35,000人を対象として、8月22日~9月30日の40日間で実施された。本事業では、全体では233件の相談が寄せられ、相談内容は、「友人関係」が80件で最も多く、「学業・進路に関すること」、「家庭環境」など、多岐にわたっている。アンケート結果では、悩みが解決した。やや解決した。と回答した割合が84%となり、SNSだからこそ気軽に相談することができ、相談してよかったとの声が読み取れる結果となり、新たな相談ツールとして期待できるものと考えている。そこで、本事業の評価及び成果、見えてきた課題等の検証結果は?
A:本事業の成果について、3点あると捉えている。1点目は、生徒に身近なコミュニケーションツールであるSNSだからこそ、日常生活で起こる悩みを早期に受け止めることができ、深刻化を防ぐことができたこと。2点目は、SNSという新しい相談手段だからこそ、電話や対面が苦手で、一人で悩みを抱えていた生徒の悩みを受け止められたこと。3点目は、相談する声や姿を周囲に知られることが少ないSNSだからこそ秘匿性の高い相談内容にも対応することができたこと。一方で、「SNSを活用した相談窓口」で受けた相談の中で、電話や対面で相談を行う機関へ繋げる事案への対応が課題であると考えている。
Q:次年度以降も、SNSを活用した相談事業を、本市で実施している教育相談事業の体制に加え、新たな相談ツールとして、継続実施して頂きたいと考えるが、見解は?
A:40日間という限られた期間の実施であったが、「SNSを活用した相談窓口」において、生徒の悩みを受け止め、寄り添えたことは大きな成果と考えている。教育委員会としては、国の動向や他の自治体の結果を踏まえ、より良い教育相談体制の構築に向け検討していきたい。
4.人にやさしいまちづくりについて
(1)バリアフリーのまちづくりについて
Q:高齢者や障がい者、また小さなお子様がいるご家庭では、外出の際に移動やトイレの不安があります。こうした方が、安心して外出できるように、また、安心して来訪できる、さいたま市を目指していきたいと考える。バリアフリー基本構想で設定されている重点整備地区におけるバリアフリー経路(主要経路・補完経路)について、現状を総点検したうえで、可能な路線から計画的に整備を進めてもらいたいと考えるが、見解は?
A:重点整備地区では、駅と福祉施設や公共施設を結ぶ路線をバリアフリー経路として、点字ブロックの設置や段差の解消、歩道幅員の確保などの対策を実施することになっている。バリアフリー経路の整備は、既成市街地の道路の再整備になることや、市街地開発事業において整備を行う経路があることから、整備に時間を要している。今後の整備については、実施可能な対策について優先順位を定め、計画的に進めていきたい。安全で快適な歩行空間の確保に努めていく。
Q:具体的な計画の推進に合わせ、WEBを利用したバリアフリーマップをつくって広く情報提供していくことを検討してもらいたいと考えるが、見解は?
A:WEBを利用したバリアフリーマップの作成は、今年度、現況把握に着手しており、今後、他都市の事例を参考に、WEB版のバリアフリーマップの導入について、検討していく。