財政運営、公共施設の更新、公民連携の推進!

持続可能な財政運営について

Q:令和3年度は、さいたま市誕生20周年の大きな佳節を迎えることになる。次期総合振興計画のスタートの年でもあり、新たなステージに向かって成長・発展するための重要な一年と位置づけられると感じている。本市の人口推計では、今後10年程度は増加傾向であるが、急激な高齢化への対応、公共施設の老朽化・更新への対応、待機児童解消など、財政需要は高まりつつある。未だ収束の見通しがつかない新型コロナウイルス感染症への対応による財政需要の増大や市内経済の影響による歳入の減収も心配される。 更には、本市が更なる発展・成長するために必要不可欠となる都市基盤整備、地下鉄7号線の延伸事業等、大きな財源が必要となる事業も着実に推進していく必要があり、国や県の交付金を最大限に活用し、成長・発展に資する投資を実行していかなければならない。そこで、中長期の財政見通しに関し3点伺う。

①将来の大規模な事業投資案件についての予算確保策について見解は?

②将来の地方債発行によって義務的経費が増えても財政の硬直化を招かないよう、一層の事業の効率化や行革を実施し、持続可能な財政運営をしていくべきであるが、現状の取組みと今後の方針は?

③自主財源を生み出す取組みの1つとして、未利用公有財産の利活用等、具体的な方針は?

【答弁要旨】本市の財政状況は、来年度は減収の見込み。その後は、市税収入の増加は見込まれるが、社会保障関連経費の増加や公共施設の老朽化など、持続可能な財政運営を行う上での課題もある。特に大規模な都市基盤整備等については多額の財源が必要なるため、国・県支出金を最大限活用するとともに、財政指標に留意して市債の活用を図っていくことを考えている。

これまでの行財政改革の成果として、新年度当初予算編成においては約70億円の財政効果を生みだした。今後、より一層の事業の効率化やコスト削減、積極的な自主財源の確保を図ることは重要であり、行財政改革の取組みを一層強化していく。

未利用公有資産の利活用の推進については、今年度より情報を一般公開し広報している。民間事業者と意見交換を行う機会も増えており、更なる有効活用に繋げていきたい。

公共施設マネジメント計画について

Q:老朽化する公共施設の維持管理コストの縮減と、施設の複合化、機能統合を目指す「公共施設マネジメント計画」は、持続可能な財政運営を考えるうえで、大変に重要な取組となる。第1次アクションプランの計画期間は、今年度末までとなっており、現在、新年度より10年間を計画期間とした第2次アクションプランの策定が進められている。これまでの計画の達成状況並びに事業評価について、見解は?また、第2次アクションプランの策定状況について、方針・概要・修正点は?

公共施設の約50%を占める学校施設についても、今年度末を計画期間とした「学校施設リフレッシュ計画」があるが、計画の達成状況並びに事業評価についての見解と次期計画の策定状況は?

【答弁要旨】第1次アクションプランの達成状況としては、概ね目標達成したが予防保全工事は当初の推計単価を上回り、将来コストは第1次プラン策定時の推計よりも増加の見込みとなった。第2次アクションプランでは、これまでの全体方針を維持しつつ、コスト削減に繋がる建物の予防保全工事や施設の複合化などを強化する方向で策定を進めている。

学校施設リフレッシュ基本計画の達成状況は、4(実績)/10(目標)校の着手となり遅れている。着手していない6校については、計画より1年遅れで進捗している。第2期計画では、反省を活かして策定を進めている。財政と連動した実効性の高い公共施設マネジメントを着実に推進していく。

与野本町小学校複合施設【いーよの】

公民連携(Pay For Success)の導入について

Q:厳しい財政状況が見込まれる中、民間のノウハウを活用して、事業の費用対効果を高める手法の1つとして期待される「成果連動型民間委託契約方式(PFS)」が注目されている。その実施手法の1つであるSIBを含め、各地の自治体で導入が始まっており、事業期間を満了して結果を公開する事業が増えている。 現在、国においてもガイドラインづくりやモデル事業が進行しており、自治体におけるPFSの導入可能性の検討を、支援する事業が実施されている。 がん検診の受診率の向上や生活習慣病の予防、セカンドライフ支援の就業先の確保等、先行事業モデルの実施結果を参考にしながら、福祉・医療等のソーシャルな分野において、PFS手法を導入し、民間のノウハウを活用した社会的課題の解決を図りつつ、事業効果・効率を高め、財政の健全化をより一層推進するべきと考えるが見解は?

【答弁要旨】PFS「成果連動型民間委託契約」方式による事業は、委託料を固定化することなく、より良いサービスの提供に対し、より高い支払いが行われることで、民間事業者の創意工夫を最大限に生かし、より大きな成果が見込める。行政課題の解決に対応した成果指標を設定したうえで、民間事業者のノウハウや柔軟なサービス提供による利用者満足度を支払いに連動させることにより、より良質な市民サービスの提供に繋がるメリットを期待できる。制度導入の際における実施手順や成果指標の設定、評価の方法、報酬の支払い条件の設定等が課題となっているが、今後、内閣府のガイドラインが公表予定となっており、対象分野の絞り込みや客観的に成果が確認できるような成果指標の設定を行い、速やかな実施に努めていく。