交通政策について
さいたま市版「MaaS」の導入について
Q:昨年11月「地域公共交通活性化及び再生に関する法律等」の一部改正が施行された。自治体主導で地域交通をデザインし、必要な交通サービスを確保・改善することが求められている。地域における輸送資源を総動員し、少子化・高齢化への対応を図るとともに、新しい技術を最大限に活用した、利用者目線に立ったネットワークの構築が重要となる。 本市では、2019年6月、新たなモビリティサービスによるまちづくり協議会(略称MaaS協議会)を立ち上げている。この協議会は、少子高齢化に伴い縮小する可能性のある交通網を維持するとともに、高齢者や障がい者などの交通弱者への移動手段を確保し、行政主導でアクセス性の向上や、市民の利便性を高める魅力的な交通体系の構築を目指していると認識している。 本市の移動に関する課題は、交通渋滞や主要ターミナル駅の混雑解消、交通空白地域や交通弱者の移動手段の確保、観光客を誘致する際の利便性の向上や回遊性の確保等、多岐に亘り、地域によっても抱える課題に違いがあることから、その解決に向けた施策も当然に異なるものと考えている。 現在、地域公共交通計画の策定作業が進められており、移動サービスの高度化を図るソフト面のインフラとしてMaaSの概念が反映されると承知しているが、大宮駅周辺などの都市部と郊外部では同じ概念を組み込むとしても、施策の方向性が変わってくると考える。都市部では、既存の移動手段を連携させ、快適性を高めることや地域の活性化を図る取組みが重要であり、郊外部では、AIデマンドバスの運行など交通手段の高度化を図る取組みが重要と考える。 これら多様な地域課題の統合的な解決に向けて、本市の目指すMaaSの姿、及び交通体系の施策の現状と将来像は?
【答弁要旨】本市の交通体系の施策の現状としては、公共交通や幹線道路ネットワークの充実などにより、公共施設等へのアクセス向上と交通空白・不便地区等の解消に努めてきた。移動に関する課題としては、都心内のネットワーク等の維持に資する移動サービスの拡充、広域交通拠点性の強化、交通空白地区等における多様な公共交通の持続性の確保等が挙げられる。課題に対する取組みの一環として、現在、移動サービスの拡充のためシェア型マルチモビリティの実証実験を大宮駅・さいたま新都心周辺地区で予定している。また、地域ニーズに応じた生活交通の確保に資するAIデマンドサービスの実証実験を岩槻区及び美園地区で予定している。
交通体系の将来像については、市民の日常生活の移動手段として便利で継続的な利用等により魅力的なまちと持続可能な公共交通ネットワークを構築することを目指している。
本市の目指すMaaSの姿については、骨格となる鉄道やバス等の公共交通網とシェアモビリティやデマンド交通などの新たなモビリティサービスをシームレスかつ快適につなぎ、地域の個性を生かすMaaS、ラストワンマイルの移動手段を確保し地域の課題を解決するMaaSが考えられる。引き続き、地域の関係者・交通事業者等と連携してMaaSの推進に取り組む。