6月定例会で一般質問
市民生活と地域経済を守る緊急対策の早期実施を!
長期化する新型コロナウイルス感染症による影響、国際情勢や急激な円安の影響による物価高騰によって市民生活や事業経営が大変厳しい状況となっていることを踏まえ、国が地域の実情に応じてきめ細かい対策が実施できるよう「地方創生臨時交付金」を拡充。会派として、5月24日に「緊急要望」を提出したところであり、早急に「交付金」を活用した補正予算を編成し、小中学校・保育施設などの給食費の保護者負担を増えないようにすることや、市内中小企業・小規模事業者への支援、高齢者・障がい者施設の運営事業者への支援、生活困窮者世帯への経済的な負担軽減策を実施することを訴えました。
グリーンライフ・ポイント制度を活用して脱炭素・ごみ削減の推進を!
環境に配慮した行動をする消費者に、金銭的インセンティブとしてポイント付与の仕組みを活用する企業や自治体を支援するグリーンライフ・ポイント制度を積極的に活用し、脱炭素社会の実現をはじめ、「3R(リユース、リデュース、リサイクル)の推進」「食品ロス削減」「ごみ削減」の施策を推進することを訴えました。
グリーンライフポイント制度は、環境に配慮した行動をする消費者に、金銭的インセンティブとしてポイント付与の仕組みを活用する企業や自治体に対し、その費用の一部を補助するもので、消費者が地域や社会の環境問題を身近なものとして捉え、自分ごととしてできることから無理なく楽しく実践できるよう制度設計されています。自治体側の視点ではゼロカーボン実現をはじめ、3Rの推進や食品ロス削減、ごみ削減の施策への波及効果を期待でき、企業側の目線では、環境問題に取り組む企業としてのイメージアップが図られることや、ポイント付与による売上げアップなどのメリットがあると考えます。グリーンライフ・ポイント制度の活用に向けては、既に環境問題に取り組んでいる民間事業者と協定を結ぶなど連携していくことや、参画する企業に対し認証制度を設けるなどの展開も考えられ、「ゼロカーボンの実現」「循環型社会の構築」へ大きな推進力となるとの考えから、提案しました。
交通空白地域解消へ、AIデマンドの本格導入を!
交通弱者・交通不便地域の解消は、高齢化を迎える中、市民生活の日常の足として確保することは市の重要な政策課題であり、これまでAIデマンドバスの導入を提案してきました。現在、岩槻区の柏崎・美幸町地区と美園地区において実証運行が行われていますが、本格導入に向けての市の方針を質すとともに、推進体制の強化を訴えました。
本市は、AIデマンドバスはコミュニティバス、乗合タクシーと横並びで位置づけておりますが、民間の既存バス路線も含めた広い視野での検討が必要と考えます。市が抱える課題の解消と、交通事業者の事業性確保を両立させることが大きな課題と捉えております。全国のAIデマンドバスの実証運行では、新たな需要を創出できたことで収益改善が図られたとする結果もあることから、課題解決に向け、例えばプラットフォーム組織をつくって地元の交通事業者に参画していただき、地域交通の新しい形をつくっていく視点も必要と考えます。本市として実証運行を踏え、今後AIデマンドバスをどのように本格導入していく考えか、見解を質しました。
また、公共交通ネットワークの構築に向けては、MaaSの概念を取り入れた施策展開も予定されていることや、環境的、福祉的、経済的な側面など部局横断的な取組となることから、本市の重要な政策課題であると捉えております。より強力に施策を実行していくためには、市長直轄の組織体制とすることなど、推進体制をさらに強化する必要があると考え、推進体制の強化を訴えました。
大宮駅の高度化 ~東武線からJR線への乗り換え改善について~
国の首都圏広域地方計画、交通政策審議会答申において、大宮駅の高度化が重要なプロジェクトに位置づけられたことによって、大宮駅周辺のまちづくりや大宮駅の高度化が大きく動き始めたと認識しております。本市においは、
駅周辺街区のまちづくり、交通基盤整備及び駅機能高度化を三位一体で推進するGCS構想が2018年に策定され、GCS構想を具体的かつ実現可能なものとしていくため、2020年大宮GCSプランが策定されています。
東武線からJRへの乗換えについては、特に通勤時間帯の混雑が激しく、駅ホームの安全性も懸念されており、長年にわたる課題となっております。課題の解決に向け、GCSプランの個別計画では、駅改良計画の素案が示され、①新東西通路は必要幅員15メートルに構造体の幅や側方余裕を加えた幅員とする。
②東武大宮駅は新東西自由通路のやや南側まで南進し、駅を橋上化し改札口を新たに設置する。
方向性が示されております。そこで、東武線からJR線への乗換え改善を図り、大宮駅を高度化する取組について、質しました。
答弁では、整備計画の概要については、大宮GCSプラン2020において東武線を南進、2面3線化及び橋上駅化し、新東西通路に接続することとしております。また、新東西通路には新たにJR大宮駅と東武大宮駅の改札を新設することで、駅ホーム混雑の解消及び鉄道相互の乗換え距離の短縮といった改善が図られる計画となっていることが示されました。
また、鉄道事業者との協議経過及び技術的課題の解消に向けた取組については、現在新東西通路及び東武駅改良について、JR東日本と東武鉄道に具体的な調査設計を依頼するとともに、隣接する開発街区の関係者や鉄道事業者等で構成するプロジェクトチームを通じて、新東西通路と開発街区との接続方法等について検討が進められていることが示されました。
最後に、概略の事業スケジュールについては、これらの乗換え改善の事業は鉄道運行を継続しながら限られた空間の中で工事を進める必要があり、長期間の工期が見込まれていることから、鉄道事業者の調査設計の中で詳細な検討を行っていく方向性が示されました。大宮駅の高度化に向けた取組につきましては、令和6年度の都市計画決定手続に入れるよう積極的に検討を進めていくとの答弁を得ました。
子育て支援の拡充を! ~産後ケア・ヘルパー派遣の拡充とバウチャー制度の創設~
長期化する新型コロナの影響で外出を自粛する等、在宅で子育てをしている世帯の母子が、孤立しやすい状況に陥っていると心配されることから、本市で実施している産後ケア事業、子育てヘルパー派遣事業が利用者目線でより使い易い事業となるよう、サービスの拡充を訴えました。また、国の施策を補完する事業として、一時保育利用に使えるクーポン等、子育てサービスに利用目的を限定した「子育てバウチャー制度」を創設することを提案しました。
住宅セーフティネットの構築を!~家賃低廉化補助制度の早期導入を~
住宅セーフティーネット制度の趣旨は、本来公営住宅が担っていた役割を民間住宅を活用して補うものであり、その最大の目的は、家計における住宅費の比率を下げることにあり、その結果、生活を立てることができるのです。つまり、家賃の低廉化が図られなければ、住宅セーフティーネットとはならないと考えています。
本市では、平成30年度より家賃債務保証料補助のみの実施にとどまっているため、住宅困窮者支援をうたってはいるものの、実効的な支援はできていない現状と考えます。長期化するコロナ禍や不安定な社会情勢に鑑み、本市においても家賃低廉化補助を早急に導入して、住宅困窮者への実効的な支援となる真の住宅セーフティーネットの構築を求めました。